ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

江戸文化のまま現在になったら

だいぶ前によく遊びに来てくれる&行く三日月さんのブログに書かれていた『父と息子』バージョンを読んで、自分もやってみたくなったのでやってみました。
(ちなみにかなり前ですが許可をいただいています)

えっと・・・では、スタートっ!

殿Ver

「春日!春日はおらぬか!」
濃紺に金糸の刺繍の羽織に銀絹にやはり豪華絢爛な刺繍の入った着物を着た男は、わめきながら城内をばたばたと走り回った。
そんな男の前に面を下げながら参上する春日と呼ばれる女。
この女は大奥総取り締まり、春日局である。
「上様、いかがなさいましたか?」
「春日、明日ワシは城下へ降りる」
狼狽する春日に、『上様』は腕を組み春日を見つめる。
「明日、でございますか?」
「おう、『めいど喫茶』と言うものが城下では流行っているらしく、いかなる物かとこの目で確かめてみたくなったのじゃ」
『上様』は得意げに言い放つ、春日は『上様』を見据え言い放つ。
「お言葉ですが上様、冥途などという物騒な名前の茶屋にまいられるというのならば、このわたくし、春日が命に替えても・・・」
「春日!その冥途ではない『めいど』つまり・・・何というか、西洋の女中の事じゃ!」
頬を赤らめ、しかし嬉々としながら上様は力説する。
春日もひるまず、乳母の顔で上様に反論する。
「しかし、上様!おなごなどこの大奥に腐るほどおるではありませぬか!!何が不満なのですか?!」
「おなごにはわからぬのじゃ、西洋の女中は「すかあと」と言う着物をまとい、「前掛け」も「えぷろん」と申し、大奥の女共とは違いひらひらとしたまことに不可思議な前掛けをつけておるのじゃ!」
春日と上様の口論に城内がざわめきだした頃、春日が俯きながらつぶやく。
「・・・わかりました」
「おぉ!春日、わかってくれたか!」
上様は瞳を輝かせながら期待と不安の入り交じったまなざしで春日を見つめる。
春日は瞳を閉じ、ため息を付いたあと上様を見据えた。
「わかりました!大奥に『めいど喫茶』とやらを作ります」
かくして、幕府公認のめいど喫茶が誕生したのであった。

ちゃんちゃん♪
超ショートストーリーでした。

ひさびさに書いた。
なかなかエンジンかかんなくて大変でした。
多くは語るまい。

三日月さんあとでTBしにいきます~♪