ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

ShortShortStory

ヒトゴロシノウタ

はじまり こんな都市伝説を知っているかい? ガラス玉のように透明で深い深い青緑色の瞳を持つ、死神の話さ。 彼は有名なヒトゴロシの被害者の一人。 ヒトゴロシに恨みを持った彼は死神として甦った。 けれど死神として生きるには自分もたくさん人を殺さなき…

ゆめうつつ

『あぁ、急がなくては!』今日は満月の夜だ。 石段には桃色の椿の花がたくさん敷き詰められていた。 もうすぐ『ゆめうつつ』が生まれるのだ。 私は風呂桶いっぱいにミルク風呂を涌かした。 甘いミルクの匂いが鼻腔をくすぐる。 更に蜂蜜をたっぷり入れ『ゆめ…

猫町物語

あはは~全てピントがあって無いという奇跡! いつもはAFなのに今回マニュアルにしてたの忘れて撮りまくっちゃったおばかさーん。 なんと言うことだ!それでもめげずに(めげろよ)猫町物語です。 話数は特に意味はありません。 その時思い浮かんだ数字を入れ…

小話:犬と私

かすかな物音に振り返る。 黒い柴犬のような犬がこちらをじっと眺めていた。 私は犬が苦手なので、犬から視線をそらし足早に立ち去ろうとしたその時。 「おい、そこの人間。毎日この道を通るが散歩コースなのか?」 犬がいる方向から声が聞こえ、私は耳を疑…

江戸文化のまま現在になったら

だいぶ前によく遊びに来てくれる&行く三日月さんのブログに書かれていた『父と息子』バージョンを読んで、自分もやってみたくなったのでやってみました。 (ちなみにかなり前ですが許可をいただいています) えっと・・・では、スタートっ! 殿Ver 「春日!春…

1.読書中毒の人

たとえば、音というものが目に見えた場合の話をしようか? それはきっと、無数の透明な光の渦だ。 何本もの光の筋が複雑に絡まり合い、干渉しあい、束になって鼓膜をふるわせている。 つまりはそう言うことだ。 目に見えなくとも確かに存在している。 読書中…

曇夜の電信柱

ぼんやりと街の光を吸収した雲が、暗闇の中に電信柱を黒く浮かび上がらせていた夜の話でございます。 わたくしは夜中ふと、目を覚ましました。 どういう訳かなかなか眠りにつくことが出来ず、いっそ夜の散歩を楽しもうと決め込み外へ出かけました。 深夜の街…

Roof of parking lot

窓から顔を出し近所の駐車場の屋根を見下ろしました。 熱っぽい体にたまった熱を、夜気で少しだけ冷ましたかったのかもしれません。 もちろん、それが体にいいことだとは思っておりませんでしたが、冷たい空気だけでなく満月の光も非常に魅力的でありました…

羽の生えた猫

その、真っ黒な老ネコの背中には、天使のような白い羽が生えていた。 そのネコは前から家の近所をうろついてるネコで、ぼくは勝手に「くらのすけ」と名付けていた。 紅い首輪をしていたので、どこかの飼い猫かもしれなかったが、外ネコなんてその場その場で…