ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

いのちがけということ

入院して学んだこと。
隣のベッドのおばちゃんが手術中または術後に、死んでしまうかもしれないという手術をしたらしい。
私の検査と同じ日に。
手術前私に言うのだ。
「今日もうここへ帰ってこれないかもしれないじゃない?そしたら天国行きか、地獄かもしれないね」
その人は今までもたくさん手術をして、治療をがんばっている人だったから、がんばってといえなかった。がんばれと言う前にすでにたくさんがんばっているのだ。
幸い、手術は成功したらしく今日は朝御飯を一緒に食べた。
犬の話で盛り上がって、その人は子供がいないから、「犬のために健康になって、犬と一緒に出かけられるようになってください、そうすれば喜びますよ」
そんな気の利かない言葉しか言えなかったけれど、犬の話をするときにおばちゃんの目は輝いて笑顔に変わった。
本当によくなればよいのだけれど。
命がけで病気と闘う人を見て、いろいろ考えさせられた。
悔いの無いよう、生きたい。
弱音は吐いても良いけれど、絶望から死を選んでしまうのは、命がけで戦う人にたいして失礼である。
健康ならば、絶望の淵に立とうが、借金取りに追われようが、仕事が無かろうが生きてさえいれば、長くて短い人生の内に何とかなるはずだ。
生と死が交錯する場所で、数日暮らしただけだけれど、私のくたくたの脳はそんなことを考えた。

検査当日、例のごとく検査薬を飲み残してグロッキーなくせに、年賀状を書いていたら、先生に失笑された。
点滴の針がうまく入らなくて、腕にあざができていたい。
好きなブログにのっていた言葉に、涙がでそうになった。
絶食後初ご飯はまずかった。
毎日はれてるのに、山の向こうに雲があって日本一の山は、顔を出してくれなかった。
短いけど、色々あってボリューミーだった。
楽しくはないけどいつもより楽だった。

そうだ、たくさんの人に心配をかけてしまった検査入院の結果。
潰瘍性大腸炎の軽症の疑い。
前回の検査よりよくなっているそうで、来月今回の正式な結果がでる。

ご心配をおかけしました。
無事帰還しました。
これからもよろしくお願いします。