ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

その歳月

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14年前の今日

大きな地震が起きて

東京に住んでいた私たちは

それをテレビで知った

何ヶ月かして

地震で家族を亡くしてしまった女の子が

隣のクラスに転校してきて

みんな仲良くしようとしたけれど

彼女はいつも窓の外を見て

悲しそうにしていた

14年

彼女も大人になったはずだ

その歳月は長いようで短い

彼女の今が幸せでありますように

今もどこかこの同じ空の下で

あのとき悲しんだ人たちにも

幸せが訪れますように




-------追記
14年前の今日。
朝、テレビを見ていて10分ごとに増えていく死傷者の数に小学5年生の自分は『リアル』を感じていなかった。
そのころの私は、テレビの中の出来事としか感じていなかったのだ。
数ヶ月後、地震で家族を亡くした彼女が両親の親戚を頼り、隣のクラスに転校してきたとき、はじめてあの地震と死傷者の数が『リアル』だと感じて、私はテレビの中の出来事だと思っていた出来事の当事者の人たちに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
子供ながらに気をつかったのか、誰も地震のことは聞かなかったが、彼女は休み時間に遊びにさそわれても誰とも遊ばないで窓の外の空を眺めていた。
私は、隣のクラスだけど彼女が気になって廊下の窓から空を眺める彼女に話しかけてみた。
春の花の香りがする風が吹いていた、私は「暖かいね」といった気がする。
彼女は笑ってくれた。
話はしなかったけれど、そのあとすぐに彼女はまた別のところへ転校してしまった。
そして、また何もなかったかのように毎日が繰り返されてたぶん、あのころのことなんかみんな忘れちゃってるんだろうなぁ。