ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

死に逝くもの

イメージ 1

遠目に見てハトが一羽ケガをしてもがいているようだった
私は近づいて助けようとした
羽根が折れているだけなら近くの動物病院へ連れて行けば治ると思ったからだ

近づいていみると
首が折れているようだった
必死にもがいていた
すごくすごくもがいていた
その姿がすごく怖かった

死にかけていても生きることにしがみついている魂をみたように思ったから
生へしがみついてはいてもその魂は確実に死へと向かっているのだ

死は美しくない
そんなの知ってる
けれど目の当たりにすると怖くなってしまう
もがいている
その一瞬が生きている
死へと向かっている

私たちも変わらない
違いはそれがすぐ目の前にあるか少し遠くにあるかだけ
もがきながら生きている
朝のハトと変わらない

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日曜の朝だった。
自転車で駅までの道程を走っていたときのこと。
ハトを見つけた。
上の言葉のようにハトは死にかけていた。
多分車にぶつかったのだろう。
子供達の声が聞こえる陽気な日曜日の朝。ハトは死にかけてもがいていた。
怖かった。
何もできない自分も何とかしたくてもがいているハトも陽気な日曜日も。
夜帰りに同じ道を通ったときハトの姿はなかった。
きっと誰かが片づけたのかもしれない。
私は音楽を聴きながら悲しくなった。
あれ、文章が小説風。最近書いていないな。