ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

秘密の景色

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足下に高速道路が出来た
見上げるほど大きな私立病院が出来た
どんどんと街は栄えていくけれど
秘密の景色だけは変わりなく
そこに存在していた

少女時代
太陽のさきっぽが
とっぷり山に沈むまで眺めていた
一番星を探し
彗星を見た
フェンス越しにじゃなく

風の強い場所
冷える耳を手袋で押さえながら
白い息を吐いた
朝は富士山が見える
学校に行きたくない日も
そんな景色に救われた

街が栄えてフェンス越しにしか
みられなくなってしまった今も
秘密の景色として存在している