ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

猛獣注意

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オリの中に閉じこめられて

じっとこちらを眺めている猛獣

私は怖くて走り出した

そんな私を猛獣が目で追う

オリに閉じこめられていれば怖くないのに

私の耳は奴らの動く音をとらえ

すくんで立ち止まりそうになる足を必死に動かす

猛獣がオリの中から手を伸ばす

私の長いしっぽは爪の間をすり抜ける

振り返らずに走る

走っても走っても家が遠く感じる

目の前に再び猛獣の影

私の体が宙に浮く

叫び声をあげたような気がする

奴らは『にゃあ』と鳴く

私は奴らの鼻先を噛んで

『チュウ』と鳴いてやった