ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

13.深夜番組:bth表

今日も眠れなくて、本を読んでるのに何となくテレビも付けていた。
BGMのようにテレビから音が流れる。
夜の音楽番組だった。
俺の好きな曲。テレビではあまり流れないから、本から目を離してテレビを見る。
PVが流れてて、そのPVのストーリーが俺が陥ってる状態にそっくりで、さらに共感した。
やっぱり、この曲は大好きだ。
歌う。
落下する。
そのまま其処にいたいって、思い続ける方が無理かもしれない。
曲が静かに終わって、俺はテレビから本に視線を移す。
テレビの内容がつまらなくなって、他のチャンネルへ変える。
途中で、手を止める。
「へ?」
知った顔がテレビに映ってる。
この地域のケーブルテレビでしか流れてない番組だった。
『貴方はどっち?』
のコーナーに出ている。
このコーナーは、二つのお題があって、そのどっち派かを答えるコーナーだ。
二つのお代にはそれぞれ紅白が決められており、投票は何故か紅白の招き猫で行うという、へんてこなコーナーだった。
それに、あいつが出ている。
携帯を手にとって、メールを送る。
『優也君へ ケーブルテレビの番組に出てるのを見かけた(笑)』
深夜なのにすぐに返事が来る。
『見るな』
『見ちゃったvテレビ映り良いですね』
『はずい』
『再放送が、また今週の金曜日にあるので、ビデオ取ってさっちんに送りつけます』
『ばか、やめとけ 送ったら、鼻にネギ詰めるぞ!!』
そんなメールを交換しながら、いつの間にか俺は眠ってしまったらしい。
何となく、深夜番組って、面白いなって思った。