ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

2008-12-06から1日間の記事一覧

アウトプット

ホームページ時代の小説を絶賛移行中である。 既存物からのアウトプット(もちろん自分の作品だ)なのでカットペーストクリックの一連の操作がわかれば誰でもできる。 しかし、簡単な操作故、更新しすぎYahoo!から少しばかり拒否されてしまった。 ほんの数分で…

26.The World

俺が、ずっとずっと昔死神になってからずっと、吉田鈴美を探していた。 俺が、人間だった頃に愛した、唯一の人間だ。 そして、俺が死ぬのを見ていた。最愛の人。 多分、俺が死んでいくのを見ていたから、彼女を俺の後を追って死んでしまった。それっきり、俺…

53.壊れた時計

あたしの中の時計が壊れてしまった。 去年と同じ状況に陥ってる。 多分、時計は逆戻りしてる。 自分で決めた期限は冬。 あたしは大嫌いな雪の中で自分を殺そうって決めた。 あたしの目の前におっきな時計が立っている。 もうすぐその時計は午前零時を指す。 …

11.柔らかい殻

『あたしをもっと愛して。』 誰だろう、そう言ったのは・・・。 僕が覚えているのは、公園の辺りを歩いているときで、其処から先は何も覚えていない、何故、僕が自分のベッドで朝を迎えてるのかさえ、思い出せなかった。 ピンストライプのシャツに腕をとおし…

13.深夜番組:bth表

今日も眠れなくて、本を読んでるのに何となくテレビも付けていた。 BGMのようにテレビから音が流れる。 深夜の音楽番組だった。 俺の好きな曲。テレビではあまり流れないから、本から目を離してテレビを見る。 PVが流れてて、そのPVのストーリーが俺…

10.トランキライザー 【精神的興奮をしずめ不安などを緩和する薬の総称。精神安定剤。

俺は、校庭の片隅で花びらの舞い散るおっきな桜の木の下に立って、見上げていた。 風があって気持ち良い。 「ふぅーっ!浪漫ちすとーはるっち!!」 俺が振り返ると、其処には優也が立っていた。 相変わらずでかい。 「やっぱぁ?そう思うだろ?」 得意げに…

22.MD:MIPミッションイッポシブルのテーマ。

このディスクに残された兄さんの遺言の中身を、おれは知らない。 けど、おれを追ってきてる奴はどうやらその中身を、知っているらしい。 このディスクの中身を俺は知りたい。 兄さんも、この中身の所為で殺された。 俺と兄さんは歳が離れてて、あまり合う機…

41.雨の日

あの日雨が降ってきて、気がつけば俺は空を見上げたまま其処に立っていた。 殆ど記憶がない。 多分、今の自分の目の色は透き通った深い青緑色。 死神の証。 何も、考えられなくなる。 あの時だって、そうだった。 何人も殺して、何人も自分の糧にした。 駅前…

16.シャム双生児

「菊月を消滅させると、本体の菊野香月も消滅してしまう。だから、今現在彼を消滅させるのは無理、本体がいなくなれば、あなた達もバラバラになってどうにもならなくなってしまうから」 アリスは、サックスにそう告げると何かを紙に記した。 サックスは、優…

19.ナンバリング

金色の目、白い髪、凶暴そうな口元に、黒に紅い裏地の着流し。 そして、左腕に刻まれた数字。 彼は言う。 「俺はな、人間の手で復元された鬼なんだ、だからナンバーが入ってる。馬鹿らしい話だが、本当の話だ、俺も最初は全く信じたくなかった。だって、自分…

46.名前

「真下秀・・・そうだね、真下秀のままで・・・」 彼は呟いた。 あたしはあたしの肩にもたせかけられた真下の頭を撫でる。 凄くさらさらで、柔らかい髪の毛だった。 「自分に名前なんて、本当はないんだ。名前があってはいけない、そう言う決まりがある。け…

7.毀れた弓

少し遅めに、家を出た。 その日は会社に行きたくなくて、はじめて無断欠勤をした。 雨が沢山降っている。 僕は傘を差してバス停で、どきどきしながらバスを待った。 誰かに見つかるんじゃないかって、わざと傘を深く差して、俯いて携帯をいじっていた。 もう…

18.ハーモニカ

銀色のハーモニカがある。 よくあるタイプなんだけど、私はこの音が一番好き。 はじめて聞いたのは、私があの人にあったとき。 あの人は川辺で頑張って、誰かの音楽のハーモニカ部分を一所懸命練習してたみたいだったけど、どうしても同じ場所でつかえる。 …

5.釣りをする人

祈りのように、指を絡ませ、俺はその向こう側の湖にたれる浮きだけをじっと見つめていた。 ここへ来て、もう、4日になる。 小さな魚は釣れても、まだ大物は釣れない。 ちっちゃな魚が、元気にバケツの中ではねた。 其れは、まるで一度釣られた魚だとは思え…

78.鬼ごっこ

オレンジ色の目が、珍しいんだって。 だから、僕は人間に追われる。 僕の目は、ダイヤモンドより、何よりも価値があるんだって。 鬼の僕が、人間に追われてる。 黒の髪に、オレンジの瞳。 鬼の目は、人間とは違う色をしている。 「なぁ・・・お梅、人間に近…

6.ポラロイドカメラ

巷で噂になっているある屋敷のポラロイドカメラは、自分の欲しいもの、必要なものを念写しますと実際数日後に自分の前に現れるという大変不思議なポラロイドカメラなのでございます。 しかしながら、噂で聞いただけで、私は実際には見たことがなかったもので…

94.釦・ボタン

「ボタンが邪魔だよ」 にっこり笑う彼の笑顔に負けて、あたしはシャツの釦を二つはずした。 「うん、それで良い」 またにっこり笑う。 さっきの不機嫌が嘘みたいに今は機嫌がいいみたい。 ゆっくりとあたしの頬に手を添える。温かい手だった。 「こうやって…

75.人でなしの恋

サックス・レリオットと、アリス・レノンは、一緒に住んでいる。 悪党と、その助手だから当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、俺がもっとも気に食わないのは、サックスとアリスがそれだけの関係じゃないって事だ。 確かに、アリスはとても綺麗だし、…

2.階段

ニコラは毎日階段に座って、夜を明かした。 何日経っても彼は帰ってこない。 得体の知れない、妖怪のような、強盗のような奴に連れ去られてからずっと、レスタトはかえってこなかった。 何日も、その階段に座って彼の帰りを待ち、町中を探し歩いた。 けれど…

63.でんせん(漢字は自由)伝染

悪意は、伝染する。 雨が降っている。 秋の、冷たい、染み渡るような雨だった。 あたしは昇降口から出て、薄暗くなった空を見てため息を付く。 朝の天気が嘘のように、雨が降っていた。 薄暗い道を、半ば諦めながら雨に濡れて、歩く。 冷たい雨が心地良い。 …

68.蝉の死骸

夏も終わり、さめた夜風が鈴虫の音色と共にそよそよと草を揺らした。 月の船が、彼らの頭の上にぽっかりと夜空の一部を切り取ったかのように、白く光っている。 その、月の光で、彼らの足下の舗装の悪いアスファルトの上には、彼らの影が長く伸びていた。 蝉…

3.荒野

ここは世界のブラックマーケット。 何でも売ってる市場、巷で売ってるものから、やばいものまで。 世界中のものが売ってる。 場所は不定で時間も未定。 参加できるのは一部の人間だけ。 「これは幾らするんだい?」 恰幅の良いおばちゃんが、透明な容器に入…

雷鳴とどろく夕暮れの街

雷鳴とどろく夕暮れの街 歩き続けることに疲れた私は しゃがみ込むことも叶わず ひとりひたすらに歩き続けた 涙ではなく 憤り 憤りの後には 何とも言い難い気持ちの数々 何より怒りを感じたのは自分へだ 酷い雨 雲の中で渦巻く稲光 轟音 見上げ、笑う私 そう…

薔薇のある庭

朱 オレンジ 黄 ピンク 紅 白 この薔薇は咲いてから時間が経つほどに 色が変わる まるで魔法にかかったように 変化する 美しくもありはかない 燃え尽きたように 白で終わる美しさ 何者にも汚されませんように・・・

紫陽花

夕闇に染まる 白い紫陽花 何も聞こえない振りをしていたんだ 気が付かない振りをしていたんだ 気づいて気持ちを伝えたら終わりだと思っていたから 実際どうなのか分からない 終わりなのか 始まりなのか どうすればいいのか ただ 頭の中が酷くクリアで この紫…

百日紅

冬枯れの百日紅(さるすべり) 二羽の雀と 青い空 春の訪れを待ちこがれ さえずる歌は 春の色 梅の香り 薫る北風 せせらぐ川面に 金色の夕日 静かな月夜に 鈴の音 星が泣いているかのような 鈴の音

うんにゃ せかいはあたしんだよぅ なんて 人のフルーツ食べるんじゃない まあるい顔にきらきらおめめ 石頭だけど柔らかい耳 常にぶーぶー鳴ってる鼻と 女の子なのにおっさんくさい仕草 ほらほら だめだよ 悪戯ばっかりしてちゃ あなたがあと何年生きるかわか…

線と糸

空に糸を引く 黒い影 どこまで続いているの あなたへ声は届きますか そういうものじゃないですね 笑ってください すこしでいいから

水中都市

こちらの水槽を覗いてください こちらが東京の観光名所 水中都市でございます 人口は2008年から変わっておりませんが その水深は年々深まっております 東京タワーから台風の東京

近くて遠い

これでなんでも伝えられるって思ってたら それは間違い 画面見て ボタンおして 言葉を並べて それでも期待してしまう 君からの言葉を 声を聞けたら最高 言葉を声に出して あたしに聞かせて 上手く伝えられなくても良い ゆっくり思いついた言葉を ぽつり ぽつ…