ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

53.壊れた時計

あたしの中の時計が壊れてしまった。
去年と同じ状況に陥ってる。
多分、時計は逆戻りしてる。
自分で決めた期限は冬。
あたしは大嫌いな雪の中で自分を殺そうって決めた。
あたしの目の前におっきな時計が立っている。
もうすぐその時計は午前零時を指す。
それから、数時間後にあたしはあたしの最後を迎える。
何もかも拒否してしまいたい。
疲れたし、面倒くさいし。
何より、自分をこんなに憎んでる自分の原動力がもったいない。
出来れば、自分なんかに関わりたくないし、自分の姿を見たくもない。
朝起きたときに、自分が自分の側にいることがとても疎ましくて。
朝、目覚めないことばかりを願っている。
さらに言うと、都合良く誰かに自分が殺されることを願っていて、死の縁に立ちたがる自分が其処にいる。
狂った時計で進み続けるには限度ってもんがあったみたいで。
やっぱり、同じくらいの時期に狂ってくるもので。
ごまかせない。
だまし、だましその時計を使っていても、やっぱり時間は狂っていく。
どうやったって壊れた時計は、正確には時を刻まない。
自分が他人に押しつけた罪と、自分がかぶり続けた罪と、自分が進んで犯した罪と、これからやろうとしてること。
全部、あたしの中で塗り固められた嘘で隠してある。
あたしが、それを実行に移すとき、多分、誰にも知らせないだろう。
だって、そんなこと知られたら絶対あの時みたいに沢山電話やメールが来て、面倒なことになる。
だから、正確な日時なんて書かない。
でも、そう言うことがあるってのは、一応書いておこうと思った。
もう少し、もう少し、もう少し。
何度言ったら、何度我慢したら、自分を憎まなくて済むようになるんだろう。