ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

64.洗濯物日和

俺の名は、セメダロン31!!接着剤(セメダイン)とアイスクリーム(毎月31日は31の日!!で有名なあそこのが特に)が大好きな人造人間だ!!
今日も、俺は、アイスを片手に地域の安全と平和を守っている!!
守って・・・まも・・・あーごめんなさいっ!!
やっぱり、守れてません。
な、なんと、今、俺はいつも羽を伸ばすために立ち寄っていた公園にたまっていたヤンキー共に絡まれている。
5人・・・たいして俺は丸腰。
ヤバイ、ピンチだ!!
くっちゃくっちゃと汚らしくガムを噛んでいるぶかぶかのTシャツに、やっぱりぶかぶかのパンツをはいて帽子を斜めに被った金のネックレスをした少年が、にやにやと笑いながら、おれを上から下まで舐めるように見つめた。
「おにーさん、格好いいねぇ・・・俺等さぁ、お金に困ってるんだよねぇ・・・」
また、にやにやと笑う。
た・・・たすけて!!ハチさん!!無理、俺無理。
「そ・・・それは、ご愁傷様で・・・」
ヤンキーを見つめながら後ずさった。
「ご愁傷様じゃねぇよ、いくらかもってんだろ?出せよ、財布」
ヤバイ、ヤバイから!!
怪人でもない一般人(ヤンキーという名の怪人だけど)を本気でやってしまって良いものか・・・俺は少し悩んだ。
いや、でも、5人対丸腰の俺じゃ・・・勝てるかなぁ・・・。
『攻めさん、何怯えてるんですか!!あたし忙しいんですから!!そんなへぼヤンキー社会のゴミ、そう、そうよ!!ゴミ、ゴミなのよ!!ゴミが人のようだわ!!あははははは!!』
ハチさんからの通信だけど、ハチさん、あんたそれ、悪役だから!!
そもそも、いみわからん!!
『っていうか、攻めさん、貴方この後今日の昼食と夕食の買い出しよね?食費とられたら・・・どうなるか解ってるわね?食費とられるくらいなら、やっちゃいなさい』
は・・・ハチさん、正気ですか?
ヤンキーという名の怪人だけれども、この少年達は、一般人なのですよ!!
なんて、通信してる間に、俺は胸ぐらを掴まれて、揺さぶられていた。
あーん、怖いよー!!
何かもう、半泣きだ。
「とりゃぁ!!」
は・・・ハチさん?
と思うまもなく、俺ごとヤンキーを吹っ飛ばした何者か。
俺は、地面に打ち付けられながらも、その姿を見逃さなかった。
「う・・・うけ?」
見間違うはずもなかった、とある日に俺とハチさん家に穴を開け、落ちてきた少年型人造人間ウケロダン99!!
奴は俺を助けに来たのか?あの、ツンツンボーイ(ボーイって・・・)が?
「うーけーろーだー・・・・ふんがッ!!」
俺が、余りのうれしさで受けに飛びつこうとしたら、受けは靴の底で俺の抱擁を受け止めた。
「ウザイ、お前みたいな奴は死んでろ」
「はひ・・・」
俺は、そのままリングに沈むジョーの如く公園の地面に顔面から着地した。
「なんだよ・・・仲間じゃねぇのかよ!!」
ヤンキー達がざわめく。
「でも、イーや、こいつでも、ほら、さっさと金出せよ」
いつもむすっとしている受けが微笑んだ。
「金を出せ?お前等誰にものをいってるんだ?」
「お前だ、よ・・・・ってはぁ!!」
ヤンキーは、俺と同じように地面に顔面から着地した。
瞬きしていたら見えなかったかもしれない、受けは、本気で平手打ちを5回ヤンキーの頬にキメ、最後に踵落としでフィニッシュを飾った。
しかも、超高速だ。
「ふんっ!!僕を誰だと思ってるんだまったく、最近のヤンキー共は・・・」
っていうか、本当に、誰だよ、お前!!
そして、呆然とするその他ヤンキー共も次々と叩きのめす。
すっげぇ、かっこいい~vちょっと惚れるv
いや、そうじゃないだろ!!なんだ、あいつは、一般市民にあんなひどい仕打ちを!!
「おい!!待て!!ウケロダン
受けが振り返る。
「なんだ、まだ居たのか、カスが」
俺は、勇気を振り絞り、受けの胸ぐらを掴んだ。
「お前、この一般市民をどうしてくれたんだ!俺達警察に捕まっちゃうだろ!!」
受けはにやっと笑うと、その美少年の口から次々とそれに似つかわしくない言葉が吐き出される。
「人んちの食費をかつ上げするような奴も、されるような奴も、みんなうん湖だ!!死んでしまえ!!うん湖やろう!!」
そう言うと、受けは、俺に向かって殴りかかってきた。
しかし、体格差では俺の方が上だ。そのまま押し倒すように受けの両腕を握ったまま、地面に転がった。
「邪魔だ、どけ!うんこ!!」
「やだ!!」
「なーなーなーにーvねぇ、攻めさんvついに、ついにそっちの方向に目覚めたのね!しかも無理矢理をご所望?!萌え、萌えだわ!!良い、そのままよ、そのまま、今携帯で写真撮るから!!」
や・・・やっぱり出た、俺の助手で腐女子で謎の美少女でおやっさん的ポジションのやっぱり腐女子、ハチ。
なにやら、もうもの凄く満足げな顔で、受けにまたがったままの俺を見て、笑っている。
一通り取り終えて、満足すると。
とった画像を見ながら満足げに帰っていった・・・一体何がしたかったんだろう・・・写真を取りに来ただけだったのだろうか?
と、とにかく。この間違えた考えを持った、ウケロダンをなんとかせね・・・ば?ってあれいない・・・。
「馬鹿が、僕は今日疲れたからかえるよ。お前の所為で服が汚れてしまった。ちゃんと手洗いしろ。」
そーですねぇー今日は、洗濯物日和でしたものねぇ・・・・。
俺は空を見上げる。
午前から午後に変わろうとしている太陽が、さんさんと輝いていた。
足下には、ヤンキーという名の怪人だと思うことにした一般人の死骸(いや、死んじゃ居ないけど・・・)が転がっていた・・・あぁ、なんて良い日なんだ・・・俺、気分最悪。