ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

85.コンビニおにぎり

「にゃこ、おにぎりと言えば!?」
「はい?」

不機嫌極まりない表情で起きあがったのが、ネコ、へんちくりんな関西弁を喋るのが、カバ。

「『はい』って、具はないで!!ちゃんと答えんかい!!」
「いや・・・いきなり、意味分かんないから・・・・」

ネコはやる気全くゼロという感じで、イスにふんぞり返った。
と、そこへ

「はいはーい、僕はファミマの鮭おにぎりが好きv」
「おーっ!!ユー君やないかぁ、やっぱり、鮭か、シーチキンやろ」

ユー君と、カバはハイタッチをした。
この二人、今日は妙にテンションテンションが高い何かあるのか。

「ね、ネコ君は何が好き?俺的に、ネコが好きなのはおかかっぽいなぁ・・・ネコだけに、おかか・・・」

カバとユー君は二人で向き合って大爆笑する。
ネコは、一言、死ね、と言うと二人の後頭部をつかんで、ごちん、とでこをぶつけた。
その場にうずくまる二人。

「いてててててて・・・・」

おでこをさすりながら、顔を上げたカバの視線の先には、けんちゃんがいた。

「けーんちゃーんv」
「あ、カバ君、と言うか、みんな居るじゃないですか」

子犬のように、カバを片手で撫でながら、ネコの机の周りに集まった。

「ねぇ、ケンちゃんは、何おにぎりが好き?」
「うぅーん、おにぎりですか?」
「ちなみに、俺は、ファミマの鮭おにぎり」

にこにことするユー君とカバの間で、おにぎりの具について考える、クラス委員のケンちゃん。
そして、やっと顔を上げる。

「僕は、明太子かなぁ・・・あのプチプチ具合が大好きなんだけど・・・」
「おぉ!ケンちゃん、以外やなぁ・・・俺はてっきり、梅干しって言うかと思った。」
「梅干しも好きですよ、二番目ぐらいかな、でも、やっぱり明太子が好き、で、ネコ君は?」
「それが、教えてくれへんのや・・・」
「そうなんだよぅ・・・」

じっと、ネコを見つめる。
・・・

「あぁ、もう、分かったから、分かったって、何でおにぎりの具ひとつで俺がそんな目で見られなきゃいけないんだよ!!意味不明だよ」
「わーいv」

カバとユー君は再びハイタッチをした。

「・・・・・・」
「早く・・・」
「・・・・・・塩。」

はい?

「ね・・・ネコ・・・今なんて・・・」
「あーもう、俺は、塩おにぎりにノリを撒いて食べるのが一番好きなんだよ!!」
「具無しやん・・・えぇ、まじ、えぇ・・・具無しってぇ・・・具の入ったおにぎりのこと聞いてたんに、言うぅ?具無し言うぅ?」

ネコは真っ赤になりながらふて寝した。
こんな平和な日常なんです。

ちなみに・・・カバが具について聞き回ってた理由は購買のおばちゃんに、今どんなおにぎりが流行ってるか、知りたいから、教えて。
と言う答えに答えられなかった自分が悔しかったためだと思われます。
流行に乗れないって思ったのかもしれませんね。