ひとりがたり

日常のもの・こと・妄想など

2008-12-13から1日間の記事一覧

にくきゅう

やらかい

おちる ちる みちる

おちる ちる みちる 記憶がしずくのように みちる おちる ちる 散ることはない 満ちてゆくばかり 落ちることもない 朽ちてしまえばいいのに

50.葡萄の葉

葡萄棚の下を駆け抜けている人影。 黒地に金の竜の刺繍入りで裏地の赤い着物を着た、短髪銀髪の赤い縁のゴーグルの男。 身の丈は、170を優に越え、右手には赤い釘バットを持っている。 それを追うのは、臙脂の羽織を袖を通さずにはおり、白地に銀の虎の刺…

79.愚者にはなれない

装弾数は8+1発あいつをやるには十分だ。それと道ばたの死体から勝手に拝借した、ニューナンブとグロッグ。 愛用の銃は、コルトダブルイーグル、俺が持つにはでかい銃かもしれないけど、あいつが俺にくれた唯一役立つものだった。 だから今も使用している…

48.熱帯魚

極彩色の魚の中に、一匹だけ、黒い金魚が泳いでいた。 その金魚は、極彩色の中なので、他の魚たちと一緒の時は自分のことをトクベツだとは思わなかった。 しかし夜が来ると、黒い金魚は暗闇と一体化して、他の魚たちの中から姿を消した。 消した、と言う表現…

80.ベルリンの壁

私が小さかったから、いつの事だか覚えていない。 確かに、ドイツを半分にわけていたその壁が破壊されている映像はよく覚えている。 国旗を背負い、半裸で、ハンマーを壁に叩きつける青年。 その壁を越えることは、死を意味していた時代の終焉。 そんな事言…

58.風切羽

あたしの指が、キーボ-ドを叩くたびに言葉が生み出される。 言葉は繋がって文章となり、空気のようにそこら辺に漂う。 今までは、誰に気にとめてもらわなくても良かった。 あたしという空気を。 誰が気が付いたって気が付かなくたって関係なかった。 だって…

69.片足

造園会社の畑の中で、片足が切断された男性の死体が発見されたのは、午前6時のことだった。 発見者は、畑の所有者である、造園会社の社長。 中山健三、47歳。 先代の社長がドロップアウトして、3年前に社長職を次いだばかりだった。 死体に血液の流れ出…

49.竜の牙

僕と、菊野香月は、施設で起きた無差別殺人事件の生存者として、別の施設に保護された。 施設、と言っても、今まで居たような実験施設ではなく、いわゆる孤児院のような物だった。 名字が違うのに、僕らは兄弟と言うことにされた。 別に名前なんて関係ないの…

43.遠浅

再びの登場だ、俺はセメダロン31!! 人造人間で、ヒーロー(思い込み)で、謎の美少女(仮)兼おやっさんと一緒に世界の平和、もとい、地域の平和を守っている。 時には通学途中の子供達が危なくないように横断歩道に立ったり、商店街をアイスと接着剤を…

45.年中無休

俺の名は、セメダロン31(サーティワン)アイスと接着剤が大好きな、人造人間だ。 人造人間と言ったら、因縁の好敵手、おやっさん、謎の美女、そして、俺がセメダロン31だと言うことの秘密。 そう、俺が、セメダロン31だというのは秘密なのだ。 そして…

39.オムライス

「ねぇ、秀ちゃんはオムライスってどうやって食べる?」 吉田鈴美のリクエストで食事に入った、オムライスやさんで聞かれ、俺は少し迷う。 「真ん中からほじくって食べる」 「えー信じらんない、普通はじっこから崩して食べない?」 「信じらんないとか言う…

めざめ

早朝二度目覚め 一度目は悪夢にうなされ なかなか寝付けず 二度目は悪夢に起こされ 咳で寝付けず 気づけば太陽が顔を出し始めてしまった もう一度寝ようかやめようか やめよう 二度あることは三度ある